Windows 10 で Qt の開発環境を作成する方法 (2020年度版)

概要
Windows 10 環境に Qt の開発環境を作成する方法を紹介します。
以下の環境で確認しました。
- Windows 10
- Visual Studio 2019 Community
- Qt 5.14.2
- Git 2.26.2 (オプション)
- CMake 3.17.0 (オプション)
C++ コンパイラをインストールする
C++ のビルドを行うために、Visual Studio をインストールしします。
Visual Studio 2019 for Windows および Mac のダウンロード からコミュニティの「無料ダウンロード」ボタンをクリックし、インストーラーをダウンロードします。 ダウンロードが完了したら、インストーラーを起動します。 インストールするコンポーネントの選択画面が表示されたら、「C++ によるデスクトップ開発」を選択し、「インストール」をクリックします。
Qt をインストールする
Qt 及び Qt Creator のインストール
Qt Downloads から「5.14/5.14.2」と辿っていくと「qt-opensource-windows-x86-5.14.2.exe」があるので、クリックしてダウンロードします。 ダウンロードが完了したら、インストーラーを起動します。
インストールを進めるには、Qt のアカウントが必要です。 すでに持っている場合は、「Login」欄にメールアドレス及びパスワードを入力します。 まだ持っていない場合は、「Sign-up」欄に作成するアカウントのメールアドレス及びパスワードを入力します。
サービス規約に同意するチェックボックスにチェックを入れ、次に行きます。
ライセンスに同意するチェックボックスにチェックを入れ、次に行きます。
インストール先を指定します。
Qt に関連する拡張子の関連付けを行う場合は、下のチェックボックスにチェックを入れます。
「MSVC 2017 64-bit」と「Qt Creator 4.11.1」の2つにチェックを入れます。 Visual Studio 2019 はありませんが、Visual Studio 2017 と互換性があるため、こちらにチェックを入れれば問題ありません。
ライセンスに同意するチェックボックスにチェックを入れ、次に行きます。
「インストール」をクリックし、インストールを開始します。
環境変数の設定
以下をを環境変数の「Path」に追加します。
<Qt をインストールしたディレクトリ>\Tools\QtCreator\bin
(例:C:\Qt\Qt5.14.2\Tools\QtCreator\bin
)<Qt をインストールしたディレクトリ>\5.14.2\msvc2017_64\bin
(例:C:\Qt\Qt5.14.2\5.14.2\msvc2017_64\bin
)
Qt Creator のコンパイラの設定
「Qt Creator」を起動し、メニューの「ツール」→「オプション」で設定画面を開きます。
「Kits」を選択し、「キット」タブの「Compiler」の欄を以下に設定します。
- C: Microsoft Visual C++ Compiler <バージョン> (x86_amd64)
- C++: Microsoft Visual C++ Compiler <バージョン> (x86_amd64)
git をインストールする (オプション)
Qt Creator は git に対応しているので、バージョン管理を行いたい場合は、インストールします。
Git for Windows から「Download」をクリックし、インストーラーをダウンロードします。 ダウンロードが完了したら、インストーラーを起動します。
CMake (オプション)
Qt Creator は CMake に対応しているので、ビルドシステムに CMake を使いたい場合は、インストールします。
Download | CMake から「Windows win64-x64」をクリックし、インストーラーをダウンロードします。 ダウンロードが完了したら、インストーラーを起動します。
ビルドできるか確認する
サンプルコードを用意したので、こちら のディレクトリをダウンロードします。
- メニューより「ファイル」→「ファイル/プロジェクトを開く」を選択します。
ダウンロードしたディレクトリ内の CMakeLists.txt
を選択します。
以下のような画面になるので、「Configure Project」をクリックします。
正常に読み込めたら、左ツールバーの「▶」ボタンをクリックし、ビルド及び実行します。 以下のようなウィンドウが表示されたら、成功です。